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外資系IT企業の給与体系

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目次

基本給+インセンティブ

外資系IT企業の給与体系ですが、当然ながら職種によって変わります。ここでは営業とプリセールスについて説明します。営業とプリセールスはどちらも基本的に売上目標が設定され、その売上目標に対する達成度で評価されます。給与体系もその様になっており、基本給+インセンティブで構成されます。

また、給与は通常OTE(On Target Earnings)といった形で提示されます。これは売上目標を100%達成した場合に、年収がいくらになるか、といったものです。

たとえばOTEが1,500万円(一般的に15Mと表記されます)で、基本給部分:80%、インセンティブ部分:20%、の場合

基本給が1,200万円でインセンティブ部分が300万円、ということになります。毎月の給与明細では基本給部分が100万円と記載されることになります。インセンティブについては、会社によって毎月の支払いであったり四半期毎の支払いであったりと様々です(私の場合は今まで毎月の支払いがほとんどでした)。

ちなみに私が過去に所属していた外資系企業では、テクニカルサポートやプロフェッショナルサービス(PS)といったポストセールス部門では基本給+ボーナスといった給与体系が多かったです。営業やプリセールスといった部門とは異なり、売ることがメインミッションではないので、数字目標を持って達成率に応じて、といった形ではないところが多いように思います。

基本給とインセンティブの割合は?

営業職では50%:50%や60%:40%といったスプレッド(比率)が多いと思います。プリセールスでは70%:30%~80%:20%が一般的ですね、過去に所属した企業ではいずれもこのスプレッドでした。

ちなみに売上達成率の100%(あるいはこれも会社によりますが120%だったり)を超えるとアクセラレータがかかる仕組みになっているところが多いです。どういうことかというと、一定の係数がかかってきて同じ金額を売り上げても×1.5倍になったりするわけです。これは段階的にその係数が設定されていたり、会社によって変わってきますので、確認しておくべき重要なポイントです。もちろん100%達成できない人にはまったく縁のない話ですが。

一般的にその人の給料を表すものとして用いられるのがOTEですが、実際に支払われる給料はこの比率と達成率によって大きく変わってきます。分かりやすく同じ営業職の例を挙げて比較してみましょう。

・Aさんのケース:OTEが1,500万円、スプレッドが50:50、売上達成率が50%の場合

 基本給:750万円 + インセンティブ:750万円 × 0.5 = 1,125万円

・Bさんのケース:OTEが1,200万円、スプレッドが60:40、売上達成率が120%の場合

 基本給:720万円 + インセンティブ:480万円 × 1.2 = 1,296万円

ということになります。

OTEとしてはAさんの方が300万円も多いのにも関わらず、実際の給料ではBさんの方が多く貰うことになるという逆転が発生します。アクセラレータがかかりますので、Bさんのケースでは実際にはさらにインセンティブ分が増えることになります。

もちろん営業/プリセールスのスキルや頑張りによっても変わってきますが、会社によっては平均的に皆が数字を達成あるいは達成できなくても80~90%を達成しているところと、逆に一部のトップセールスを除いて50%程度しか達成できない営業が多い会社もあったりしますので、入社する前にそういった情報を収集することが重要です。

但し、転職する時には前職の給料が基準となり、それはOTEで見られますので、基本的には自分のOTEを上げていくことが外資ITの世界で生きていくには重要です。OTEが600万円の人が転職していきなり1,200万円というのは難しいです。もちろん全くないとは言いません。その人が長く転職してなくて給料が上がっていなくて、かつ市場価値が高い場合は大幅にOTEを上げる転職も不可能ではないです。しかし、そうでない場合は転職時に10~30%アップくらいが多いように思います。

また、私自身経験したことありますが、現職と転職先とでスプレッドが異なる場合も珍しくありません。注意しなければならないのは、転職先の方が基本給の割合が低く、転職することでOTEとしては上がっても、基本給が下がってしまう場合があります。もちろん「頑張って売る」が営業やプリセールスのミッションですが、基本給が下がらないように入社時に交渉するのは非常に重要です。その場合、基本給をベースにして10%アップでもOTEとしてはかなり上がる場合もあります。

OTEとスプレッドを把握して、自分の給与体系を理解しておくことが重要です。

株式も給与の一部

最近はRSU(Restricted Stock Unit)をOTEとは別に支給する企業が増えています。特に比較的最近の外資IT企業ではRSUを給与パッケージに組み込んでいるところも多いです。この動きを受けてか日系企業の中にも楽天やメルカリなどRSUを導入するところがチラホラ出てきていますね。

RSUは日本語では「譲渡制限付き株式ユニット」と訳されます。簡単に説明すると、自社の株式を数年に分けて貰う権利を付与される仕組みです。知る限りでは、一定数の株を4年間で付与していくところが多いです。株を貰うには在籍している必要があるので、リテンション対策にもなるというわけですね。分かりやすく言うと、株で給料を上乗せするので最低でもその期間は在籍してよ、というのが企業側のメッセージとなります。業績を上げて、株価も上がると貰った側(従業員)の利益も大きくなるので、仕事へのモチベーションも高まるわけです。よくできた仕組みだと思います。

また、RSUを受け取る側(従業員)はその年の分の確定申告を行う必要があります。詳細な話はここではしませんが、RSUではGrantとVestという用語を理解しておく必要があります。端的に言うと

Grant:会社から従業員に一定の株数が割り当てられること(この時点ではまだ株は貰えていない)                       Vest:その時点で在籍している等の条件を満たし、実際に株の所有権が確定すること

となります。Vestされるタイミングで株が自分のものになる、つまり譲渡される形になりますので、それは給与の一部という形になります。従って、翌年確定申告をする必要があります。

株価×株数×その時点のレート(ドル→円)、で日本円に換算します。

また、Vestされたらいつでも売却することは可能ですが、その時は売却益が発生しますし、そこにも税金はかかります。まぁVestされた後は通常の株取引と同じですね。RSUは株そのものなので、Vestされたタイミングより株価が下がっていたら売らずにホールドしておけばよく、株価が上がったら売却すれば良いわけです(もちろん上場している必要があります)。ですので、基本的にVestされた時より高い株価の時に売れば良いので大体の場合、金額は膨らみます。いつまでも株価が上がらなかったら?その時は諦めましょう、見極めが大事だということです。

一般論として、上級管理職になるほど給料の中で株が占める割合が高くなりますね。会社の実績を上げて株価を高めると結果的に自らの報酬も増えるわけです。それから従来であればストックオプション(SO)を付与する企業が多かったですが、最近はRSUが主流になってきています。

RSUとSOの違いについても少しだけ説明しておきます。

RSUについてはこれまで説明してきましたように株式の現物が付与されます。一方、SOは株式が付与された時点と権利確定時の差額を受け取ることが可能です。また、一般的にSOの方がRSUに比べて付与される株数はかなり多めです。従って、SOの方がハイリスクハイリターンといえるでしょう。SOの場合、株価が付与された時点より下回ってしまうと紙切れになってしまう、というのが大きなデメリットだといえます。

RSUもSOもどちらにも言えることですが、付与される株の上昇を最大化しようと考えるなら、やはり株価の上昇が見込める成長企業を選ぶのが得策です。特に、まだ株価があまり高くないうちに入社してその後大きく株価が上昇すると利益を最大化できます。具体的にいえば

・ケースA

RSUを付与された時点で$50、後に株価が$300まで上昇した($250の上昇)

・ケースB

RSUを付与された時点で$200、後に株価が$600まで上昇した($400の上昇)

いずれのケースも株価が大幅に上昇しているわけですが、ケースBの方が株価の単純な上昇額では大きいものの、ケースAの方が上昇率で言えば高いので、ケースAの方が旨味があると言えます。もちろん付与される株数にも依るわけですが、安く買って高く買うのが一番利益が大きいのは言うまでもないことですので。とはいえ普通に考えてケースBも大成功の部類だと思います。

マーケットで認知されていて既に高いシェアを占めている製品を持っている企業の株価は既に高くなっている場合が多いですが、もちろんそこからさらに上昇する場合も多いです。一方、$100以下の様な株だとスタートは安くても結局一向に上がらない、といったことも多いです。従って、高確率でそこそこの利益増大を見込めるのはBのケースだと思います。Aのケースは製品が売れて企業の実績が伸びれば大きなリターンを見込める、といったところでしょう。

これの最たるものがIPO前のスタートアップ企業に入社する、という選択肢だと思います。

退職金制度

外資IT企業でなくとも退職金制度がない会社は多くなってきました。歴史の長い企業は比較的退職金制度が整っているところも多いですが、IT企業は日系企業でも退職金制度がないところが多いです。そういった企業で退職金制度に代わるものとして採用しているのが、確定拠出年金(企業型)です。所謂DC(Defined Contribution Plan)とか401Kと呼ばれるものですね。

私の経験では、比較的規模の大きな外資IT企業はDCを導入しているところが多いように感じられます。一方、スタートアップとか規模が小さめの企業はこの制度がないところが多いです。もちろんその場合は個人型確定拠出年金(iDeCo)に加入すれば良いのですが、拠出金を負担する必要があります。企業型の場合、月額55,000円を上限に企業が拠出してくれるので、年間66万円が支給されることとなります。実際にこの金額を個人で拠出する場合、税金や社会保障費の天引きを考えると年間100万円くらいの差となってきます。DC制度がある企業からない企業への転職時に注意が必要なポイントです。

まとめ

  • 営業/プリセールスの給料はOTEで表される
  • OTEのスプレッド(基本給/インセンティブの割合)も重要
  • RSUはOTE以外に株式現物で与えられる報酬
  • 退職金制度として企業型確定拠出年金(DC)があるかどうかも要チェック

これまで見てきたように、OTE以外でもRSUやDC制度の有無をきちんと確認し、転職によってそういった条件が悪くなるようであれば、その分OTEを上げてもらうといった交渉を行うことをおすすめします。

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